資料室

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資料①

小野派一刀流・笹森順造先生より、一刀正伝無刀流・石田和外先生宛ての3枚の色紙(山﨑卓先生・旧蔵品)

人心一真(人の心が一度真になれば)
便霜可飛(すなわち霜を飛ばすべく)
堅城可隕(堅固な城をも隕(おと)すべく)
重石可貫(重い石をも貫くべし)

石田和外先生清鍳
 一刀流 笹森順造

地動平然天𩐿寂然 
(地の動きは平然、天の響きは寂前)

 笹森順造

天下剣道必勝根源

伊藤景久一刀流
同門小野派皆伝
石田和外先生

 卆翁 笹森順造


(注①:1枚目の色紙の出典は、中国明代の洪自誠が著した処世訓「菜根譚」より、「人間の真心から出た一念(至誠)は、天地をも感動させる」の意。ただし原文の字句を一部置き換え、剣道の道理に沿った換骨奪胎の新しい詩文とされている。)

(注②:笹森順造(ささもり じゅんぞう)先生ご略歴。青森県弘前市出身。明治19年生~昭和51年没。小野派一刀流宗家・剣道範士。また、日本の政治家・教育者としてご活躍され、東奥義塾塾長、青山学院院長、衆議院議員(4期)、参議院議員(3期)、復員庁総裁、賠償庁長官、大学理事、全日本剣道連盟最高顧問などを歴任した。

(注③:一刀正伝無刀流五代目の石田和外先生は、笹森順造先生の下で小野派一刀流の修業も積まれており、同流の皆伝を受けている。そのため両先生の間には交流があった。笹森先生が自著「一刀流極意(「一刀流極意」刊行会(1965年))」を刊行された際、石田先生が序文を寄稿されている。)